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お蚕さまの力

メルマガバックナンバー

二日遅れの配信となり
申し訳ございません。

2023年8月16日は「新月」でした。

新月とは
月の満ち欠けのリズムに合わせて
約29日に一度、新しく月が生まれる日。

「新しく生まれる」って素敵な言葉ですね。
昨日から新しいことを何か始めましたか?

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◆◇◆ お蚕さまのおかげ ◆◇◆
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前回のメールマガジンでは
「お蚕さまの歴史」について
お話をいたしました。

弥生時代から
お蚕さまと共に
生きてきた私たち。

着物も農業。
農耕民族として
育んできた日本。

日本人のDNAを
今一度
感じていただけたら
嬉しいです。

さて、今日は
前回の続き
「お蚕さまから絹まで」について
お話ししたいと思います。

農家にとって
貴重な収入源である蚕。

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「お蚕さま」と呼ぶのは
家族のように
大切な存在だからでした。
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養蚕農家では
蚕の幼虫は湿気を嫌うため
人間は暗い納屋で寝て
蚕棚を南向きの一番よい部屋に
設けていました。

今でも
かつての養蚕農家では
南向きの風通しが一番良い部屋に
お蚕さまがいらした後が
残っています。

一粒の種から
たくさんのお米が
できるように
お蚕さまは
3日間かけて
1200m〜1500mの
長さの糸を吐きます。

一粒の繭では
細過ぎるため
何粒かを合わせて
絹糸が作られます。

着物一反に使われる
繭の数は
2600粒〜3000粒。

お蚕さまの命から
着物は作られています。

そして
着物一反には
お蚕さまのお食事である
桑の葉は
98kg〜100kgが
必要です。

大正時代
全国の畑の1/4が
桑畑だったのも
うなづけますね。

たくさんの方々の手を経て
作られる着物は
たくさんの働き場を
作ってきたのです。

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◆◇◆ お蚕さまの力 ◆◇◆ 
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お蚕さまが作る繭は
絹織物だけではなく
色々な分野で
活躍しています。

お蚕さまの体には
二種類の液体タンパク質が
備わっています。

一つは「セリシン」
もう一つは「フィブロイン」

吐かれた糸は
フィブロインを
セリシンが覆っています。

繭の中で
お蚕さまは
成長していくのですが
繭には
その環境を守るために
備えられた

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紫外線を防止する効果
酸化を防止する効果
保湿効果
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があります。

繭から生糸を作る段階で
外側のセリシンが
取り除かれるのですが
セリシンの効果は
保湿効果
メラニン色素生成抑制作用
抗酸化作用
紫外線吸収作用。

医療用としては
大腸がん抑制作用
血糖値抑制作用
アトピー性皮膚炎抑制作用
動物細胞増殖促進・保護作用。

フィブロインには
皮膚細胞生育促進作用があり
医療現場では
外科用縫合糸や
火傷治療用の人工皮膚に
応用しています。

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絹だけでないお蚕さまのパワー
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お蚕さまから
生み出される繭には
たくさんの効用があり
たくさんの産業を
生み出します。

何故、弥生時代から
今日まで養蚕業が
続いてきたかを
知っていただけたら
嬉しいです。

衣食住の最初にくる

*****
*   *
* 衣 *
*   *
*****

昔から受け継がれてきたものには
意味がある。

先祖から受け継いできた「衣」は
大切に受け継いでいきたい
日本人の心です。

自然と共に生きるとは・・・
改めて心に問いていただけたら
嬉しいです。

着物とは
日本人の豊かで
深い感性を磨くための
着ることで学べる衣。

感性を磨くことで
美しさも磨かれていきます。

日本人のDNAにある
美しい心を刺激するのも
蓋を開けるのも
花開かせるのも
ご自身の心次第です。

あなたはどこで
日本人として備わっている
感性を磨いていますか?

着物を通して
日本人の持っている
素晴らしい能力を
一緒に学びませんか?

着物には、ファッションだけでなく、
心身共に成長するための
隠された日本人の智慧と魅力があります。

着物道では
少しずつ
このメルマガを通して
着物の持つ魅力を
感じていただけたら
嬉しいです。

また、インスタグラムでは
目でも楽しんでもらえるよう
私の着姿も載せています。 

@kimonodo_tanikanako

今日も最後までお読みいただき
ありがとうございます。

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