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お蚕様の歴史

メルマガバックナンバー

2023年8月2日は「満月」です。

満月は月全体に太陽の光をいっぱい浴びているので
パワフルな月のエネルギーが満ちています。

今月も空で輝いているお月様から
心のエネルギーをいただきませんか?

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◆◇◆ お蚕様の歴史 ◆◇◆
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前回のメールマガジンでは
「涼をとる」について
お話をいたしました。

暑い夏をどのように過ごすか
日本人の感性から生まれた
涼の取り方。

自然を受け入れ
感性を育ててきた
日本人の季節感を
暑さの中で感じていただけたら
嬉しいです。

さて、今日は
「お蚕様から絹まで」について
回を分けて
お話ししたいと思います。

最近は化学繊維が主流となり
「絹=シルク」を知らない若者が
増えていると聞きました。

小学校などで
蚕を飼育することがなければ
触れる機会の少ない絹物ですが
歴史はとても古く
弥生時代には日本でも
絹物があったと言われています。

魏志倭人伝によれば
卑弥呼の時代には
絹織物のやりとりがあり
植物染めをしていたことも
記されています。
そして佐賀県にある
弥生時代を知ることができる
吉野ヶ里遺跡では
家蚕の絹が出土されており
日本製であることが確認されています。

そんな昔から
飼われていたお蚕様は

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人間に飼われていた
家畜なので
何匹ではなく
何頭と数えられます。
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家畜として育てやすいように
人間の手によって
交配を繰り返して
現在の姿となったお蚕様は
私たちが育てた
桑の葉を食べて育ちます。

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なぜ桑の葉かというと
桑の葉が一番いい繭となり
良い糸を引くことが
できるからだそうです。
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こうして
桑を育てる農家
蚕を飼う農家
糸を引く職人
糸から絹織物を作る職人と
たくさんの人々の手により
私たちの手元に
絹織物が運ばれます。

蚕糸業が最盛期だったのは1930年代。
全国農家の約40%が
養蚕業に従事していました。

お蚕様の餌である桑畑の面積は
全畑地の約4分の1を
占めていたのです。

しかし、生糸の最大輸出国アメリカでは
安価な化学繊維が普及
戦後の食糧難により
養蚕から食糧生産へのシフト
ライフスタイルの変化
中国や韓国との低価格競争などにより
養蚕業は衰退し
現在ではほんの僅かの生産となり
桑畑の地図記号も姿を消したのでした。

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◆◇◆ 着物という農業 ◆◇◆ 
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現在、着物はファッションとして捉えられ
農業という言葉など
全く結びつかない方が
多いことと思います。

でも前述のとおり
桑畑やお蚕様の飼育だけでなく
染め物に至るまで
たくさんの農家の方々によって
支えられてきたのが着物です。

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農業は食べ物だけではない
***************

人間が生きる上での
土台となるものは
農業なくしては語れない・・・

とはいえ
どの世界も
時代の流れとともに
近代化が進み
食糧生産も大きく変わりました。

同じように
養蚕業も工業化へと
考えが及ぶようになります。

お蚕様の餌を
桑の葉から人工飼料へと
シフトするために
研究がなされたのが
1960年前後のこと。

1968年ごろには
実用可能化がなされますが
公式のゴーサインがでたのは
なんと1973年。

開発された技術が
稚蚕飼育に許可されたのは
1978年だったのです。

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初めて科学的に立証されてから
18年も経って
やっと許可された現実
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残念ながら
時すでに遅く
養蚕業の衰退を
救うことはできず
今を迎えています。

食料の自給率の低さ
養蚕業の衰退。

自然豊かで
水源に恵まれた日本。

自然の恵みに感謝し
自然と共に生きてきた日本。

これからの時代
自然と共に
どのように私たちは関わり
生きていけばよいのでしょうか。

今一度、次回も
考えてみたいと思います。

衣食住の最初にくる

*****
*   *
* 衣 *
*   *
*****

昔から受け継がれてきたものには
意味がある。

先祖から受け継いできた「衣」は
大切に受け継いでいきたい
日本人の心です。

自然と共に生きるとは・・・
改めて心に問いていただけたら
嬉しいです。

着物とは
日本人の豊かで
深い感性を磨くための
着ることで学べる衣。

感性を磨くことで
美しさも磨かれていきます。

日本人のDNAにある
美しい心を刺激するのも
蓋を開けるのも
花開かせるのも
ご自身の心次第です。

あなたはどこで
日本人として備わっている
感性を磨いていますか?

着物を通して
日本人の持っている
素晴らしい能力を
一緒に学びませんか?

着物には、ファッションだけでなく、
心身共に成長するための
隠された日本人の智慧と魅力があります。

着物道では
少しずつ
このメルマガを通して
着物の持つ魅力を
感じていただけたら
嬉しいです。

また、インスタグラムでは
目でも楽しんでもらえるよう
私の着姿も載せています。 

@kimonodo_tanikanako

今日も最後までお読みいただき
ありがとうございます。

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