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【着物道通信 No.42】

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日本人のカラダ、昔と今

きものとは心身ともに自分を高める衣服!!
もっとも輝く日本女性になるための着物道 谷加奈子 です。

2018年3月17日は、今日は「新月」です。

新月とは
月の満ち欠けのリズムに合わせて
約29日に一度、新しく月が生まれる日。

「新しく生まれる」って素敵な言葉ですね。

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◆◇日本人のカラダ、昔と今◇◆
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先週の「着物と履物と歩き方」の話から引き続いて
今日は日本人のカラダについてのお話しです。

先日、私が「着物は健康に良いのでは・・・」と
思い始めた時から愛読していた
能楽師・安田登さんの新しい本に
久しぶりに出会いました。

安田登著書「日本人の身体」

古い日本語の「からだ」は
死体という意味だったことはご存知ですか?

昔は、生きている身体は「身」と呼ばれ
「心」と「魂」と一体のものだったのです。

やがて、生きている「身体」が
「からだ」と呼ばれるようになると
自分自身から離れ、対象化されます。

一体感が薄れると
自分のカラダの声を聞くことを忘れ
専門家である他人に委ねることが
当たり前になってきます。

そして、「からだ」の語源「殻」のように
自分の周囲に強固な境界線を設け
他人との間に壁を作るようになります。

このお話し・・・
現代抱える問題に通じてきませんか?

一日に何錠もの薬を飲んでいる・・・
外に出ることが怖くて引きこもっている・・・
ちょっと肩が触れるだけで怒鳴る大人・・・

明治時代
西洋の文化を取り入れたことで
「心」と「魂」が徐々にはがされ
変わってしまった、日本人の身体。

「鍛える」という言葉も
「心」と「魂」が離れたことで
生まれた言葉です。

このメルマガでも
毎回お話ししています
「心とカラダ」のこと。

芸道や武道を始め
あらゆる技芸・物づくりに携わる人にとって
「心とカラダ」を意識しない状態は
ひとつの目標です。

でも携わっていない人にも
あてはまることです。

例えば
普段は右出して左出してと
意識して歩かないですが
「後ろ姿、見られてますよ!」と言われた瞬間
カラダはぎこちなくなり
スムーズに歩けなくなる・・・

そんな経験ありませんか?

人から見られていると思うだけで
人の目を意識し
本来の姿(力)を出すことができなくなる。

これが、「心とカラダ」が離れた瞬間です。

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◆◇こんなところにも日本人の身体感◇◆
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もうすぐ春分ですね。

「春分の日」は
「自然を称え、生物を慈しむ」日です。

そしてご先祖様に会いに
お墓参りに行きます。

近況を報告したり
家族の幸せを見守ってほしいと
お願いをしたり・・・と
死んだ人に語りかけます。

なぜ、私たちは
ご先祖様にお話ししているのでしょう。

これも日本人の身体感です。

日本人は昔から
おおざっぱで曖昧で
細かいことは気にしない身体感を
持っていました。

だから・・・

「自分の生」も
「自分の一生の中」だけでなく
長い時間の中の「いま」と捉え
大きな流れの中でゆったりと
過ごすことができるのです。

これが、生きていく中で
「安心感」となります。

残念なことに
現代の身体に関する志向性は
逆光していているために
自然との向き合い方
人との交わり方も
変わってきています。

自分の生の中だけという
小さな世界で
物事をみることが多くなっています。

小さいな争い
人を批判する・・・
これは、人との間に
線を引いてしまった結果です。

私たち日本人は
大きな流れの中にいるからこそ
ゆったりとおおらかな「心とカラダ」を
持っていられるのです。

今、「曖昧」という言葉が
あまり良い言葉として使われていません。

でも、「曖昧」だから
自分の「心とカラダ」が調和でき
自然と調和でき
他人と調和できるのです。

衣服も同じことです。
着物は難しいといわれる
決め事も戦後も
ずっと後のお話しです。

「調和」を習うには
素晴らしいアイテムです。

私たちの「美しい心」は
日々「習う事」で作られています。

真似て真似て
繰り返して慣れて
カラダになじんで習慣化になると
自然に意識から無意識へと
スイッチを変えることができます。

美しいカラダは美しい心を作ります。

美しい心を刺激するのも
蓋を開けるのも
花開かせるのも
ご自身の心次第。

「心とカラダの調和」
あなたはどこで習っていますか?

着物には、ファッションだけでなく、
心身共に成長するための
隠された日本人の智慧と魅力があります。

少しずつ
このメルマガを通して
着物の持つ魅力を
感じていただけたら
嬉しいです。

今日も最後までお読みいただき
ありがとうございます。

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