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肌に触れる布の役目・絹の効用

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2022年11月24日は、「「新月」です。

新月とは
月の満ち欠けのリズムに合わせて
約29日に一度、新しく月が生まれる日。
「新しく生まれる」って素敵な言葉ですね。
今日から新しいことを始めてみませんか?

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◆◇◆ 肌に触れる布の役目 ◆◇◆
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前回のメールマガジンでは
「冬の文様」
についてお話をいたしました。

寒さも増してきて
冬らしくなってきました。
着物でお出かけのときには
季節の柄を取り入れて
楽しんでいただけたら嬉しいです。

さて、今日は
「肌に触れる布の役目」
についてお話ししたいと思います。

衣服を購入するとき
素材のチェックに
どのくらい比重を
置いていますか?

直接肌に触れる衣服は
私たちの感覚を左右する
大切な役目を担っています。

肌の感覚を
磨くことも
鈍らせることも
布の素材によります。

着物の素材には
ウール・絹・木綿・麻・紙・竹
ポリエステルなどがあり、
動物性・植物性・化学繊維に
分類されます。

動物性のウールは
羊毛の繊維。

動物性の絹は
蚕の繭から採った繊維。

植物性の木綿は
木綿(キワタ)の実の中にある
種についている白く柔らかな繊維。

植物性の麻は
アサ・カラムシの茎の皮の繊維。

植物性の紙は
ミツマタ・コウゾ・ガンピなどの
靭皮(じんぴ)繊維。

ポリエステルなどの化学繊維は
石油や天然木材など
化学的な合成や加工で作られた繊維で
大きく2つに分かれます。

1つは石油系で作られた合成繊維。
もうひとつは、天然の木材を
精製して作られた再生繊維です。

そして、竹は、再生繊維となります。

植物繊維は
熱や洗濯などの摩擦に強く
動物繊維は
保湿性や保温性に優れています。

どちらも自然界から生まれたものなので
吸湿性や通気性に優れています。

合成繊維は
シワになりにくく
丈夫で強度に優れており
カビや害虫に強く
乾きが早いのが特長。

再生繊維は
吸湿性・吸水性に優れています。

普段、どの繊維を
多くお召しになっていますか?

繊維から作られた布を
纏って生活している私たちは
肌を覆った布により
皮膚呼吸、温度、湿度のセンサーを
働かせることとなるので
それぞれの特長を知り
生活に役立てていただけたら
嬉しいです。

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◆◇◆ 絹の効用 ◆◇◆
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着物で最も使われている素材は絹。

絹は、蚕の繭から繊維を取り
糸から布にしています。

蚕は完全に家畜化された昆虫。

お蚕さまと呼ばれ
南向きの一番良い部屋で
大切に育てられていました。

養蚕の歴史は古く
古事記や日本書紀にも
登場しています。

蚕の命は短く2ヶ月。

その間に卵から幼虫、さなぎ、成虫へと
成長していきます。

孵化した幼虫は
桑の葉をどんどん食べ
4回の脱皮をした後
食べることをやめ
糸をはき始めます。

2、3日、糸を吐き続け
繭ができるのです。

その糸の長さは
1000メートルから1500メートル。

この糸を数本撚り合わせたものが生糸。
生糸は2つのタンパク質
フィブロインとセリシンから
主に構成されており
生糸からセリシンおよび汚れを
取り除くと絹になります。

着物に使う繭の数は
約2600粒から3000粒。

たくさんの命をいただき
私たちはカラダを包んでいます。

絹は細かい穴が空いている
多孔質構造で
繊維の間にたくさんの空気を含むため
保湿性に優れ、放湿性にも優れています。

ゆえに身に付けることで
肌の乾燥を防いでくれます。

また、摩擦が少なく
紫外線を吸収する効果があります。

絹の着物の場合
着用後、吊るすことで
汗を飛ばし、匂いを消すことができます。

一晩吊るしておくことで
自らを浄化しているのです。

よくお話しするのですが
絹は呼吸をしているので
タンスにしまったままにすると
窒息してしまいます。

絹は窒息すると
ガスを発っします。

これがカビの原因となり
シミを引き起こします。

タンスに入れていたのに
カビができているのは
絹が窒息して
苦しんだからなのです。

もし、たくさんの命から
生まれた着物を苦しめていたら
タンスを開けてあげて下さいね。

そして着物を纏うことで
お蚕さまに感謝し
命の大切さを心に
留めていただけたら嬉しいです。

「丁寧に生きる」とは
感謝の心を忘れないこと。

着物から感謝する心を育み
「丁寧に生きる」を
実践してみませんか?

着物に触れることで
肌のストレスを減らし
命をいただく
日本人の心を知っていただけたら
嬉しいです。

着物とは
日本人の豊かで
深い感性を磨くための
着ることで学べる衣。

感性を磨くことで
美しさも磨かれていきます。

日本人のDNAにある
美しい心を刺激するのも
蓋を開けるのも
花開かせるのも
ご自身の心次第です。

あなたはどこで
日本人として備わっている
感性を磨いていますか?

着物を通して
日本人の持っている
素晴らしい能力を
一緒に学びませんか?

着物には、ファッションだけでなく、
心身共に成長するための
隠された日本人の智慧と魅力があります。

着物道では
少しずつ
このメルマガを通して
着物の持つ魅力を
感じていただけたら
嬉しいです。

また、インスタグラムでは
目でも楽しんでもらえるよう
私の着姿も載せています。 

@kimonodo_tanikanako

今日も最後までお読みいただき
ありがとうございます。

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