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日本における養蚕

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2023年5月6日は「満月」
そして、「立夏」でした。

満月は月全体に太陽の光をいっぱい浴びているので
パワフルな月のエネルギーが満ちています。

今月も空で輝いているお月様から
心のエネルギーをいただきましたか?

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◆◇◆ 日本における養蚕 ◆◇◆
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前回のメールマガジンでは
「二十四節気と着物」について
お話をいたしました。

季節を肌で感じ
自然と共に育まれた着物を
代々受け継いでいただけたら
嬉しいです。

さて、今日は
「日本における養蚕」について
お話ししたいと思います。

福島県会津若松市の蚕養町にある
養國神社(こがいくにじんじゃ)を
ご存知ですか?

別称として「蠶養宮(こがいぐう)」
ともいいます。

811年に創建された
こちらの神社は
延喜式の神名帳に
記載されており
会津若松で養蚕が
盛んであったことを
思わせます。

神名帳とは
全国の神社一覧のこと。

別説には
中央政権により
意図的に養蚕を
この地に根付かせるため
この名が付いたとの
説もあります。

日本後紀には796年に
伊勢・三河・相模・近江・
丹波・但馬等の国の
婦女2人ずつを陸奥国に遣わし
2年間養蚕技術を
教えさせたという
記事があるとか。

弥生時代に
中国から伝わった養蚕が
全国にどんどん
広がっていったことが
わかります。

弥生時代は
紀元前3世紀から3世紀。

絹織物は
弥生時代の前期には
始まっていたので
日本における養蚕は
稲作と共に日本に根付き
今日まで育まれてきた
長い歴史があるのです。

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日本は農耕民族
着物は農業
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お米も絹も
生きていく上で
大切にしてきたもの。

今では田んぼも減り
桑畑も見なくなっていますが
日本の土壌は
稲作に適し
蚕の食べ物である
桑も適した土壌だったのです。

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◆◇◆ お蚕さまはどこに ◆◇◆ 
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奈良時代には
全国で養蚕が行われ
税金として納められていた絹物。

それでも全国の衣を
賄うほどではなく
江戸時代まで中国から
輸入されていました。

日本の金銀銅は
絹の輸入のために使われ
江戸幕府は
本格的に養蚕に力を入れます。

そのおかげで
幕末に画期的な
養蚕技術が生まれ
輸入に頼らず
養蚕業が盛んとなり
輸出の要へとなっていくのです。

鎖国から開国に動いたのも
その時期とのこと。

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新たな歴史を開いた養蚕
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また、さまざまな養蚕技術書が
出版され、シーボルトが世界に
広めたのでした。

1840年
中村善右衛門が
当時の新技術である
体温計を応用して
「蚕当計」を考案。

中村善右衛門は
発表すべきか迷いながらも
「蚕当計秘訣」を発行。

勘などに頼っていた養蚕を
温度管理によって安定させる
「温暖育」を普及させ
改良することになったのです。

明治時代に入り
養蚕は隆盛期を迎えます。

良質の生糸は
横浜港から
大量に輸出されました。

養蚕業・絹糸は
「外貨獲得産業」として重視され
日本の近代化の礎を築いたのです。

蚕は遺伝子組み換えを繰り返し
品種改良されていきます。

明治時代に入り
1871(明治4)年3月14日
昭憲皇后により
神事として「ご養蚕」が
毎年始められました。

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日本の要の産業となった養蚕業
お蚕さまは
日本人になくてはならない
家族となったのです。
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衣食住の最初にくる

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*   *
* 衣 *
*   *
*****

昔から受け継がれてきたものには
意味がある。

大切に受け継いでいきたい
日本人の心です。

お蚕さまは
家で飼われ
大事に育てられ
やがて衣として
生まれ変わります。

稲作も養蚕も
たくさんの雇用を生み
私たちの生活の中心でした。

養蚕業は農業です。
農耕民族であることを
改めて心に留めていただけたら
嬉しいです。

着物とは
日本人の豊かで
深い感性を磨くための
着ることで学べる衣。

感性を磨くことで
美しさも磨かれていきます。

日本人のDNAにある
美しい心を刺激するのも
蓋を開けるのも
花開かせるのも
ご自身の心次第です。

あなたはどこで
日本人として備わっている
感性を磨いていますか?

着物を通して
日本人の持っている
素晴らしい能力を
一緒に学びませんか?

着物には、ファッションだけでなく、
心身共に成長するための
隠された日本人の智慧と魅力があります。

着物道では
少しずつ
このメルマガを通して
着物の持つ魅力を
感じていただけたら
嬉しいです。

また、インスタグラムでは
目でも楽しんでもらえるよう
私の着姿も載せています。 

@kimonodo_tanikanako

今日も最後までお読みいただき
ありがとうございます。

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