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日本の色は何色ありますか?

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2022年5月16日は、「満月」です。

満月は月全体に太陽の光を
いっぱい浴びているので
パワフルな月のエネルギーが
満ちています。

5月の満月はミルクムーン(乳月)
ヘアームーン(野うさぎ月)
フラワームーン(花月)と呼ばれます。
花が咲き乱れる季節は
どの国の人も待ち焦がれた季節ですね。

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◆◇ 日本の色は何色ありますか?  ◆◇
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前回のメールマガジンでは
「物を慈しむ心」という
お話をいたしました。

「慈しむ」って美しく、心が温かくなる言葉ですよね。

さて、今日はこんな話から
始めてみたいと思います。

みなさまは日本にはどのくらいの種類の
色があると思いますか?

先日、日本の若いデザイナーで
「日本の色の種類が少ない」という
話が出ていると聞きました。

なんと、海外には色ナンバーがたくさんあるけれど
日本には色鉛筆の12色しかない・・・と言うのです。

それは由々しき問題!

なぜならば、日本には世界に類を見ないほど
たくさんの色があり、和の名前があるからです。

現在ある日本の色は約480種類ほど。

それぞれに和の名前が付いています。

とはいえ、
色の名前を学校で学ぶ機会はなく
ご自身で万葉集や源氏物語などを
読むことがなければ
知ることができない現実を
改めて知ることとなりました。

色の話は話だすと
とても1回では語り尽くせない
深いお話しなので
今回は、さわりの色のルーツから
お話ししてみたいと思います。

日本では、古代から色を
認識していたと言われます。

最初に認識したのは
太陽が昇る明るさと
太陽が沈んだ暗さ。

そして色のルーツは
「光」から派生しており
「明・暗・顕(シロ)・漠(青)」と表現されます。

明はアカ。
夜明けとともに空が赤くなっていく様子。

暗はクロ。
太陽が沈んでしまった様子。

顕はシロ。
夜が明けて辺りがはっきりと見える様子。

漠はアオ。
明と暗の中間の青みがかった様子。

アカ=赤 あかし 南
クロ=黒 くらし 北
アオ=青 あわし 東 ぼんやりしている
シロ=白 しるし 西 はっきりしている

これらの4原色を純粋色彩語といい
現在、使われている基本の色となります。

あれ?黄色がない!
不思議に思いませんか?

中国では古代から
黄色は皇帝の色で、
もっとも特別な色なのに・・・

実は日本では黄色は、
赤色に含まれているため
元々は黄色という言葉はありませんでした。

4つの色は全て形容詞になりますが
黄色は色が入り、名詞となることからも
基本は4色であることがわかります。

黄色が赤とは区別されるようになったのは
平安時代に入ってからとか・・・
飛鳥時代には
たくさんの色が生まれていましたが
全て、植物などの名前が付けられており
色に対する概念が違っていたのです。

日本の色
まだまだ知らないことが
たくさんです。

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◆◇ 思いが伝わるとは ◆◇
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色については
小学校でも伝える機会があり
できる限り触れていたいと
願っているのですが
最初に植物染めに出会ったのが
約20年前のこと。

各地の着物について学ぶ研究会に
所属したことからでした。

紅師33代目・前田雨城先生に出会い
興味を持つようになり
ゆるくゆるくですが
古代の染色について
学ぶようになりました。

おかげさまで現在、
大田区のシンボル樹木
楠木を氏神様からいただき
着物を染めることで
植物染めを伝える活動をしています。

そんな中
先日、西陣織のK様から
モノづくりについての
お話を伺う機会がありました。

呉服業界に限らず
コロナ禍により
伝統の灯火が
大きく揺らぐ時代となりました。

物が作れない現状
職人の高齢化から
引退が相次ぎ
受け継ぐことが困難な時代。

でも、灯火を絶やしたくないと
モノづくりに取り組んでいる
職人や企業もあります。

真剣に取り組んでいる方は
どなたも言います。

安くすれば売れるという神話は
もうとっくに終わっている。

安くするために
手を抜くことは簡単だけれど
手を抜いてしまうと
もうその前には戻れない。

先人たちが積み上げてきた
日本の伝統は決して
世界に引けを取らないもの。

お話を伺いながら
着物や帯への愛が伝わってきて
とても幸せな気持ちになりました。

どんなことも
愛情が詰まっていると
幸せな気持ちになりますね。

愛に溢れた衣を
身にまとう。

これもまた着物の魅力の
一つではないでしょうか。

着物の魅力に触れていただけたらと
企画しました。

よろしければお出かけください。

◆日本の色に魅せられて
自然と化学の競演

2022年5月20日(金)1〜22日(日)11時〜18時
※5月21日(土)13時〜 紫根染め実演
※初日13時開場 最終日16時閉場

会場: 大塚文庫
東京都目黒区自由が丘3-6-25

協力: 京絞り寺田 服部綴れ工房 矢代仁
染めの高孝 帯屋捨松 タマオズコレクション

https://www.kimono-maruya.com/read/detail/id=357

愛情たっぷりの衣に包まれることが
自分を大切にすることに繋がり
「丁寧に生きる」ことに
繋がっていただけたら嬉しいです。

着物とは
日本人の豊かで
深い感性を磨くための
着ることで学べる衣。

感性を磨くことで
美しさも磨かれていきます。

日本人のDNAにある
美しい心を刺激するのも
蓋を開けるのも
花開かせるのも
ご自身の心次第です。

あなたはどこで
日本人として備わっている
感性を磨いていますか?

着物を通して
日本人の持っている
素晴らしい能力を
一緒に学びませんか?

着物には、ファッションだけでなく、
心身共に成長するための
隠された日本人の智慧と魅力があります。

着物道では
少しずつ
このメルマガを通して
着物の持つ魅力を
感じていただけたら
嬉しいです。

また、インスタグラムでは
目でも楽しんでもらえるよう
私の着姿も載せています。
@kimonodo_tanikanako

今日も最後までお読みいただき
ありがとうございます。

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