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藍の生葉染め

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2022年8月12日は、「満月」です。
満月は月全体に太陽の光を
いっぱい浴びているので
パワフルな月のエネルギーが
満ちています。

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◆◇ 藍の生葉染め ◆◇
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前回のメールマガジンでは
「土用」について
お話をいたしました。

「立秋」も過ぎ
明日からは「お盆」ですね。
季節に沿った日々を
お過ごしいただけたら
嬉しいです。

さて、今日は今が季節
「藍」について
お話ししたいと思います。

今年の初め
SNSを通して
仲良くなった
着物好き、自然好きな方々と
藍を種から育てて
藍染めを体験したいね
と話が盛り上がり
春から藍を育てています。

藍の種は
友人を通して入手し
虫が出る前の
3月下旬から
4月の初めに
種蒔きをしました。

間引きをしながら
藍の成長を見守り
30センチから40センチに
伸びたところで
染め体験となりました。

藍は発酵させて
宿毛を作り
藍甕で染めることが
一般的ですが
今回は自宅でも簡単にできる
染めを2種類体験しました。

一つ目が
藍の叩き染め。
藍の葉を2〜3枚
木綿に挟んで
瓶で叩いて染める方法。
こちらは押し花に似ています。

二つ目が
藍の葉生葉染め。
藍の葉だけを水を入れて
ミキサーにかけ染液を作り
絹などの動物性の布を
つけて染める方法。

とてもキレイな
ブルーに染まります。

どちらも家庭ででき
親子で楽しめる染めです。

来年はこちらに
絞り染めを加え
染める楽しさを
知っていただけたら
嬉しいです。

今回の反省点。

藍はとにかく
水を切らさないことが大切。

朝晩の水やりは必須。
水が不足すると
すぐにシナリ
葉が硬くなります。

植物は正直ですね。
来年は留意して
藍を育てたいと
思います。

育ててみたい方は
お声かけください。

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◆◇ 藍染めの歴史と効用 ◆◇
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藍はたくさんの種類があり
世界各地に自生し
古来より多くの効用があり
薬草として珍重されてきました。

日本では蓼藍が使われ
染めだけでなく
肌に塗ったり、貼ったり
煎じて飲んだり、食べたりと
生活に根付いたものでした。

解熱剤、解毒剤、消炎作用
冷え性、食あたりなど
多数の効用があります。

その歴史は
奈良時代に
中国から伝わり
平安時代まで
上流階級の方々の
衣服に用いられ
正倉院には数多く
おさめられています。

鎌倉時代になると
一番濃く染められた色を
「褐色(かちいろ)」ということから
縁起を担ぐ意味もあり
武士の間で藍を身に付ける
習慣が定着しました。

藍には
傷の化膿を防ぐ
殺菌効果や止血効果があり
武士は藍染の下着を
着ていたとか。

剣道着や袴など
武道の稽古着に
今でも藍染が
使われているのは
その名残りのようです。

この頃、藍は薬としても
用いられ始めます。

藍を発酵させて
染料にしたのは
室町時代のこと。

安土桃山時代には
徳島で、藍の栽培、藍染めが
藩の保護奨励となりました。

藍染めが庶民にも広がったのは
江戸時代に入ってからのこと。

木綿の栽培が
盛んになったことに比例し
着物だけでなく
作業着、のれん
雑貨に至るまで
藍染めが浸透します。

「ジャパン・ブルー」と
呼ばれるようになったのは
明治時代のこと。

開国後に来日した
イギリス人が
町のあちこちに
藍染めの青色が
多くみられたことから
名付けたと言われています。

その後、明治後期に
安価なインドアイや
合成染料が登場。

日本国内での
生産量が激減します。

さらに昭和の戦時中に
藍が栽培禁止となり
藍の生産が途絶える
危機を迎えます。

絶滅の危機を救ったのが
徳島県の藍師の佐藤家。
密かに山の中で蓼藍を育て
守ったのです。

おかげさまで
藍染めが途絶えることなく
現在も徳島の名産として
受け継がれています。

昔ながらの染めには
薬効成分を含め
健康に生きるための
智慧で備わっています。

ここでも
自然と共に生きることが
日本人の健康を
支えてきたことがわかります。

化学染料、化学繊維と
人工的なものに囲まれがちな
私たちですが
昔から伝わるものに
目を向ける機会も作って下さいね。

「丁寧に生きる」とは
日常の生活に潤いを与え
心に安らぎと寛ぎを
持たせるもの。

歴史を知ることで
豊かな心が育ち
人へのおもいやりへと
つながっていく。

植物染めに触れることで
自然と磨かれていけたら
嬉しいです。

着物とは
日本人の豊かで
深い感性を磨くための
着ることで学べる衣。

感性を磨くことで
美しさも磨かれていきます。

日本人のDNAにある
美しい心を刺激するのも
蓋を開けるのも
花開かせるのも
ご自身の心次第です。

あなたはどこで
日本人として備わっている
感性を磨いていますか?

着物を通して
日本人の持っている
素晴らしい能力を
一緒に学びませんか?

着物には、ファッションだけでなく、
心身共に成長するための
隠された日本人の智慧と魅力があります。

着物道では
少しずつ
このメルマガを通して
着物の持つ魅力を
感じていただけたら
嬉しいです。

また、インスタグラムでは
目でも楽しんでもらえるよう
私の着姿も載せています。 

@kimonodo_tanikanako

今日も最後までお読みいただき
ありがとうございます。

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