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小紋てなあに?

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2022年9月26日は、「新月」です。

新月とは
月の満ち欠けのリズムに合わせて
約29日に一度、新しく月が生まれる日。
「新しく生まれる」って素敵な言葉ですね。
今日から新しいことを始めてみませんか?

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◆◇ 小紋てなあに? ◆◇
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前回のメールマガジンでは
「9月の伝統行事」について
お話をいたしました。

日本には毎月のように
伝統の行事があります。
季節を感じながら
昔からの行事を
楽しんでいただけたら
嬉しいです。

さて、今日は
「小紋てなあに」について
お話ししたいと思います。

今月、江戸小紋について
老舗竺仙の方を招き
着物の勉強会を開催しました。

私自身
江戸小紋が
大好きなこともあり
型紙の製造過程を見たく
三重県鈴鹿市白子町まで
見学に行ったり
染師の自宅にお邪魔して
一日中、型紙を拝見したこともあり
江戸小紋の魅力を
さらに深掘りさせていただきました。

江戸小紋という名前が生まれたのは
昭和30年代のこと。
染師小宮康助氏が
人間国宝に選ばれたことから
名付けられました。

それまでは
型小紋のひとつと
くくられていました。

小紋は室町時代に生まれ
江戸時代に花開き
現在に至っています。

小紋とは
同じ模様が同じ方向に
繰り返し入っている着物のこと。

同じ方向に柄が染められるので
場所によっては
柄が逆さになる場合があるのが
小紋です。

小紋は、同じ柄を繰り返し染めるため
型紙を使用しています。

そのため
型小紋ともいいます。

型紙には
大紋型、中型、小紋型があり
中型は浴衣に、小紋型は着物に使用され
三重県鈴鹿市白子町で制作しています。

全国で使われている型紙は
この小さな町で作られているのです。

なんとも不思議・・・
と思った方は
江戸時代、どこの藩だったか
調べてみると面白いですよ。

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◆◇ ユーモアたっぷり江戸時代 ◆◇
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型小紋は
生産地によって
京小紋・加賀小紋と
名が付けられています。

江戸小紋は
もともと江戸時代
武士の裃として
各地で染めていました。

そのため
江戸(現在の東京)で
作られた着物ではなく
江戸時代に発達した小紋
ということで
江戸小紋という
名前が付いたのです。

江戸小紋の定義は
型紙を使って
一色、もしくは2色で
染められたいること。

江戸初期は
武士の裃のみ
庶民は着ることが
できませんでした。

庶民が着られるようになったのは
元禄時代のころ。
贅沢禁止令が発令されたころでした。

裃で使われていた型紙とは違い
庶民のユーモアたっぷりの型紙が
多く作られました。

有名なのは
「大根と卸金」
薬味をおろすことから
厄除けの意味を持ち
現在でも染められています。

初夢と題された小紋柄は
富士と鷹と茄子
女性は、富士ではなく
藤が使われていいます。

初夢は、元旦の夜に見る夢。
富士は「無事」
鷹は「高い」
茄子は「成す」
という言葉にかけられ
「一富士二鷹三茄子」の夢を見ると
縁起が良いといわれます。

言葉の由来は諸説ありますが
徳川家康が好んだ
「富士山・鷹狩り・茄子」を
順番に並べたという説が有力。

良きことや願い事
厄除けなどを
着物の文様にして
あやかっていたのです。

和歌や俳句に始まり
落語や狂言
そして茶道と
教養を磨く場面が
日常に溢れており
毎日のように
鍛えられていたのですね。

今の時代
なかなかそこまでの環境は
整えられませんが
着物の連装ゲーム
楽しんでいただけたら
嬉しいです。

「丁寧に生きる」とは
心の余裕から育つもの。

日々の生活に
非日常をのぞかせ
心に新しい風を
吹かせてみませんか?

着物とは
日本人の豊かで
深い感性を磨くための
着ることで学べる衣。

感性を磨くことで
美しさも磨かれていきます。

日本人のDNAにある
美しい心を刺激するのも
蓋を開けるのも
花開かせるのも
ご自身の心次第です。

あなたはどこで
日本人として備わっている
感性を磨いていますか?

着物を通して
日本人の持っている
素晴らしい能力を
一緒に学びませんか?

着物には、ファッションだけでなく、
心身共に成長するための
隠された日本人の智慧と魅力があります。

着物道では
少しずつ
このメルマガを通して
着物の持つ魅力を
感じていただけたら
嬉しいです。

また、インスタグラムでは
目でも楽しんでもらえるよう
私の着姿も載せています。 
@kimonodo_tanikanako

今日も最後までお読みいただき
ありがとうございます。

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