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7月の行事七夕

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2023年7月3日は「満月」です。

満月は月全体に太陽の光をいっぱい浴びているので
パワフルな月のエネルギーが満ちています。

今月も空で輝いているお月様から
心のエネルギーをいただきましょう。

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◆◇◆ 7月の行事 七夕 ◆◇◆
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前回のメールマガジンでは
「6月の行事”夏至と”夏の大祓」について
お話をいたしました。

自然と共に暮らしてきた
日本人にとって
季節感を感じる心を
これからも
育んでいただけたら
嬉しいです。

さて、今日は
「7月の行事”七夕”」について
お話ししたいと思います。

7月7日は
七夕(しちせき)の節句ですね。

小さい頃から
学校の行事としても
有名だった「七夕」。

織姫と彦星
笹を飾り
願い事を認める。

織姫と彦星が
一年に一度
天の川で再会するお話は
誰もが知っています。

でも、七夕に
恋愛や健康を
願ってはいけないことを
ご存知ですか?

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七夕は芸事や書道など上達を願うもの
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これは七夕の行事が
「乞巧奠(きこうでん)」という
中国の風習から繋がっていることに
由来しています。

中国の「乞巧奠」は
7月7日に
織女星にあやかって
はた織りや裁縫が
上達するようにと
お祈りをする風習です。

庭先の祭壇に
針や五色の糸などを供えて
星に祈りを捧げていました。

やがて
はた織りだけでなく
芸事や書道などの上達も
願うようになったのです。

奈良時代に伝わった七夕ですが
宮中行事として行われています。

宮中の人々は
桃や梨、なす、うり、大豆、干し鯛、アワビなどを供え
星をながめ、香をたき
楽を奏で、詩歌を楽しみました。

供物の祭壇の左右には
笹が立てられ
五色の糸がかけられたと
言われています。

また、サトイモの葉にたまった
夜つゆを「天の川のしずく」と考え
それで墨を溶かし
梶の葉に和歌を書いて
願いごとをしていました。

梶は古くから神聖な木とされ
祭具として多くの場面で
使われてきたのです。

余談ですが
現在、茶道では
夏の点前として
「葉蓋」がありますが
この時の「葉」は
梶を使います。

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笹飾りの始まりは
この五色の糸と梶の葉
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室町時代になると
宮中行事である七夕
そして織姫と彦星の物語が
民間に伝わり
農村で古来より
広く行われていた棚機にちなみ、
七夕(たなばた)と読むようになったのです。

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◆◇◆ 七夕飾り 五色の糸 ◆◇◆ 
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七夕飾りといえば
欠かせない「笹」

笹は成長が
早く生命力の象徴。
また葉は
殺菌力が高く
魔除けとして使われており
神聖なものとして扱われてきました。

1941年に作られた唱歌
「たなばたさま」の歌詞
覚えていらっしゃいますか?

その中で
「ささのはさらさら・・・」
「ごしきのたんざく」と
歌われていますが
もともとは
「笹の葉にごしきの糸」が
飾られていたのです。

五色といえば
端午の節句の吹き流しも
同じく五色でしたね。

何回も登場していますが
五色は中国の紀元前
春秋戦国時代に生まれた
「五行思想」によるものです。

日本でいえば縄文時代末期から
弥生時代始めにかけて生まれた思想。

地球上全てのものは
「木・火・土・金・水」の
5種の元素からなり
年月日や季節など
人間の生活を形成する
あらゆる事柄が
全て説明できるとされています。

この五色を飾ることで
魔除けになり
人間が生きる上で
大切な考え方「五徳」にも通じています。

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五徳とは
「仁・礼・信・義・智」
木(青・緑) 人間力を高める
火(赤)   祖先や親への感謝
土(黄)   人を大切に思う、信頼感を育む
金(白)   義務や決まりを守る
水(黒・紫) 学業向上
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色により願い事を分ける。
願い事を重んじる日本人らしい習わしです。

さて、この五色
かつて染色家の故吉岡幸雄氏が
植物で布に染め展示しているのを
拝見したことがありました。

吉岡氏の著書「日本の色辞典」では
それぞれの色が
どの植物によって
染められているかが書かれおり
とても興味深いです。

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奈良時代から伝わる「七夕」
五色に込められた願いは
植物のエネルギーを布に移し
飾られていたのですね。

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着物は農業。
自然と切っても切り離せない
着物文化には
先人たちの知恵が
たくさん詰まっています。

その一つ一つが奥深く
色々な力で
守られていたことに
気付かされます。

衣食住の最初にくる

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*   *
* 衣 *
*   *
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昔から受け継がれてきたものには
意味がある。

大切に受け継いでいきたい
日本人の心です。

日本人は見立てが大好き。

心豊かに過ごす工夫
先祖が大切にしてきたことを
改めて心に留めていただけたら
嬉しいです。

着物とは
日本人の豊かで
深い感性を磨くための
着ることで学べる衣。

感性を磨くことで
美しさも磨かれていきます。

日本人のDNAにある
美しい心を刺激するのも
蓋を開けるのも
花開かせるのも
ご自身の心次第です。

あなたはどこで
日本人として備わっている
感性を磨いていますか?

着物を通して
日本人の持っている
素晴らしい能力を
一緒に学びませんか?

着物には、ファッションだけでなく、
心身共に成長するための
隠された日本人の智慧と魅力があります。

着物道では
少しずつ
このメルマガを通して
着物の持つ魅力を
感じていただけたら
嬉しいです。

また、インスタグラムでは
目でも楽しんでもらえるよう
私の着姿も載せています。 

@kimonodo_tanikanako

今日も最後までお読みいただき
ありがとうございます。

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